アトリエ交換日記

アトリエ交換日記 第12話

とうとう12話になりました。
こんにちは、ゆずぽんこと小島柚穂です。

まみえさんの個展、楽しみですね!彼女の作品は独特の視点や物語性があり、タイトルも想像が膨らむように付けられています。一目見て素敵な作品であることは間違いがないのですが、その奥にある個人的な視点やストーリーを知るとより深く味わえます。

ひかりちゃんの写生の話、とても気になっていたことだったので詳しく書いてもらえてとても嬉しく、そして興味深く読みました!写生は彼女にとって「“生”を自分の中に写す」行為という言葉になるほどと思いました。少し写っていた現物写生の線がとても美しかったです。真摯に向き合う積み重ねが、あの力のある大作につながっているんだろうなと感じました。

めぐちゃんの長屋には何度か泊まらせてもらったことがあります。あの地獄の暑さの京都でエアコンなしで過ごしていることに驚愕です。ぜひ今年は保冷剤ではなくエアコンを手に入れて欲しいです。北海道には昔ながらの長屋がなかなか無いので、長屋でアトリエ兼住居というのは趣があって羨ましいです。

気候の違う北海道から、とのことですが、ご存知の通り本当に違います。
京都に越した初めの一年は本当に驚きの連続とともに辛かったような気がします。5月には28~29度になり(これはもう道産子としては真夏の気温です)、そのまま6月の梅雨に突入します。驚きです。北海道の6月は20度前後くらいで、梅雨がありませんし、とても過ごしやすい時期です。こんな真夏の気温の中で1ヶ月も雨が続くなんて聞いてない!!そして梅雨の時期はありとあらゆるものがカビていきます。本当に驚きです。憂鬱な梅雨が終わったと思ったら、次は地獄の熱帯夜です。夜になっても30度のままなんて信じられません。しかもなんだかとても湿度が高い。ただ座っているだけなのに汗がどんどん溢れてきます。私が生まれ育った北海道北見市は盆地で寒暖差の大きい土地なので、夏は35度ほどになることはありますが、湿度は低いし夏には気温が下がるのでこんなに寝苦しい思いはしません。この熱帯夜も1ヶ月くらい続きます。なんていう土地に人々は住んでいるのでしょう。エアコンに体が慣れておらず、エアコンをつけると体調を崩すので、扇風機を抱いて寝ていた記憶があります。

文句ばっかりですが、桜と紅葉にはとても感動しました。圧倒的に美しく、ドラマや漫画で見た世界がそこにはありました。そしてなんと言っても感慨深かったのは金木犀の香りです。北海道には金木犀がありません。それこそ、ドラマや漫画や歌で情緒的に語られる金木犀の香りですから、きっと何か特別なのだろうとは見当がついてましたが、全く想像がつきませんでした。初めてこの香りを嗅いだ時、まさかこれが自然の香りだなんて本当に驚きでした。秋の初めに、どこからともなく漂ってくる甘い香り。この通りはなんかとてもいい匂いがするなと思って歩いていたら、そこもここも同じ香りに満ちています。不思議に思い人に聞いたらあらびっくり、あの夢にまでみていた金木犀の香りでした。こんな魅力的な香りが町中に充満するなんて、本州の人たちはなんて贅沢な毎日を過ごしてるんだろうと思い、羨ましくて仕方がなかったです。

本州を羨ましく思うときは、金木犀があることと、新鮮なタケノコが食べられること、雪が積もった椿を見られること、冬が短いこと、なんかがあります。あとは4月に桜が咲くことです。(北海道はGWが桜の見頃です。)

逆に北海道でよかったなと思うのは、梅雨もなく台風も来ないこと、ゴキブリが出ないこと、雪の結晶が降ってくる夜と、涼しい夏に、美味しい食べ物です。オホーツクにいると、ホタテの稚貝を山盛りもらうので酒蒸しにしてスナック菓子のようにモリモリとホタテを食べることができます。他には、母が筋子をほぐしていくらを浸けてくれます。そのいくらを白米と半々くらいの分量で食べるのが大好きでした。

言い古されたセリフではありますが、自分が当たり前に過ごしてきた日常が実は当たり前ではなかったんだな、と、土地を変えるたびに強く感じます。そして毎日の当たり前が自分を作っていくんだな、と。

毎日の当たり前の豊かさに、少しでも気付けるように感受性の窓を目一杯に開いて過ごしたいです。その窓を大きく開くほど、毎日の小さなことで傷ついたり悲しくなったり怒ったりもたくさんします。それでも、私の中に芽生えた小さな感情を取りこぼすことなく掴まえて、目一杯感じて、作品にして残していきたいなと思ったりするのです。

毎度長文の小島です。開き直ってつらつらと書くことにしました。
きのこ帝国の金木犀の夜が好きです。

そしてお次は個展の準備で大忙しそうなまみえさんです。いつも素晴らしい日記を楽しみにしていますが、無理なくよろしくです。


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