制作風景

【小島柚穂】天気のこと【当別町】

こんばんは。染色作家の小島柚穂です。
こちらは最近のスケッチです。



北海道当別町での話を久々にしようと思います。
当別町は北海道札幌市の北に位置する細長い町です。人口は1.7万人ほどで、石狩当別駅前の大きく突き抜けた道路は、雄大な土地の広さを視覚的に真っ先に訴えてきます。

「当別町でしばしの制作活動をしてくる」と言うと必ず言われたのが雪のこと。雪がどうなのかというと、とにかく多いらしい。しかも風が強くて札幌市より少し気温も低いらしい。

その言葉に「まあでも京都暮らしの梅雨も辛かったし」とか「金沢の晴れない冬の日々も乗り越えたし」なんて平気な感じで聞き流しましたが、十三年ぶりらしい連日の大雪。JRの運休や遅れも当たり前、強い風に湿った雪がザバザバと降ってきて1分ほど外を歩くだけで雪だるまです。船を漕ぐように雪の海を自分の足でかき分けて進まなくてはいけません。

「なんてこった」です。毎日思っておりました。なぜ過去形かと言いますと、やっと穏やかになりましたので。そんな大雪の毎日の最中、当別町のスウェーデンハウスや交流センターを案内してもらうために、車でドライブ(?)した日がありました。

空からはもちろんのこと、下に降りた雪が強い風や車の勢いで舞い上がる地吹雪がなんとも迫力です。そしてそこからインスピレーションを受けて描いたスケッチが冒頭のものです。

オホーツクの雪は細かくて、本当にしんとした空気感があるのですが、当別の雪はなんだかざわざわとして騒がしい。一面の銀世界なので、もちろん視覚的には白黒の世界なのですが、描いていくうちにどんどんと色が入り力がこもり勢いがつき、A4のコピー用紙をずんずんとはみ出して行きました。


当別で、初めのほうに出会った色が紫根のせいかもしれませんが、当別の空気の色が何色かと問われれば紫色と答えるでしょう。まち全体が雪で覆われ真っ白なキャンバスとなったとき、より強く感じました。

これが作品になるのかならないのか。なんだかなりそうな気がするけれど。こんな風に毎日の景色や感情から染画の図案や染色品の模様を生み出していっています。

今回は文字だらけでしたが、いかがでしょうか。日常生活とも制作風景ともつかない感じでしたが私の制作のインスピレーションの取り出し方を少しだけ見てもらえたらなと、思いのままに綴っています。

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